Dr.hiraoka Blog Dr.平岡のブログ

歯茎の腫れの原因は歯周病だけではありません~

2022.06.22
みなさんこんにちは
ワンデイデンタルの平岡です。
今日は、歯茎の腫れ

についてお話しします。

患者さんは、歯茎が腫れている!!と感じた時

歯周病になったのかな?と思われるかとおもいます。
歯茎の腫れは歯周病が原因のことが多いのは事実ですが、すべてが歯周治療で治るとは限りません。
場合によっては歯の神経が通っている歯の根の根管からの感染による歯茎の腫れ(炎症)の可能性もあります。
その場合は、
歯周病の治療より根管治療を優先したほうがいいです。。
歯科医院では歯茎が腫れた=歯周病と決めつけることなく、他の可能性がないかを今一度考えて、正確な診断のもとで治療を進めないといけません。
 この、歯茎の腫れは、歯周病か?根管の炎症か?はたまた両方が複合したものか?はたまた、それ以外なのか?
専門用語になりますが、
歯周病と根管の炎症が互いに感染しひろがりあい歯の神経が死んだり、歯周ポケットが広がったりすることをエンドペリオ病変といいます。
エンド…歯内(根幹のこと)
ペリオ…歯周病

ここで、専門的な話になりますが……

エンド・ペリオ病変の分類法として代表的なものに、「Simonの分類」があります。

Simonはここで、何を原因にするかによってエンドペリオ病変を3つの病型にわけてます。

大まかにいうと、Ⅰ型はエンド由来、II型はペリオ由来、Ⅲ型はエンド・ペリオ由来(併発)ということになります。

エンドペリオ病変は、歯周ポケットと根管の先の根尖病変が交通した疾患です。臨床的には、エンド病変から引き起こされたエンドペリオ病変(Ⅰ型)は治癒しやすく、ペリオから進展した病変(Ⅱ型)は治癒しにくいといわれています。

レントゲンやCTをとり

その歯が、歯髄近くまで削られている、被せ物があってない、根の尖端病変のひろがり、周りの歯の骨吸収具合・・・等をみます。

また、患者さんのお口のなかでは、EPT(歯髄電気診)、冷水痛、歯周ポケット、打診等を調べます。

その歯が神経近くまで深く削られた跡があり、周りの歯の骨吸収がない場合は、

エンド(根管)から歯髄が死んで歯周ポケットができてしまった可能性がたかいです。

また、ここで注意

すべきところがエンドペリオの原因ではなく

歯根にダメージがおこっているため歯肉が腫れ、深い歯周ポケット、骨の吸収がおこっている場合もあります。

歯根にダメージとは

破折、パーフォレーション、外部吸収、セメント質剥離などです。(歯根が割れたり、溶けたり、穴が開いたり)

この場合は、感染による炎症ではなく歯根の器質自体にダメージが来ているため根管治療、歯周治療、も難しく場合によっては抜歯になります。

審査、診断を行ったうえで神経が死んでおり

原因が、歯周病か根管にある可能性が高いとわかったら
まず!根管治療から始めます。

根管治療を行い

3ヶ月ほど待ち、

歯周ポケットが4ミリ以下で治癒傾向なら経過をみますが 歯周ポケットが減少傾向になければ

外科処置になります。

歯周治療(再生療法等)を行いポケットの改善を見る場合もありますし

歯肉をひらいてみてそこで初めて

歯根にダメージ(歯根が割れたり、溶けてたり、穴が開いていたり)が見つかり残念ながら抜歯ということもあります。

単に、歯肉がはれてるから、歯周ポケットがあるから

歯周病と言うわけではないのです。

歯髄から炎症が広がり歯周ポケットをつくったり

歯根が割れてるから歯周ポケットをつくったり原因は多々あります。

しっかり審査診断していかないと

原因にアプローチできません。

先日、歯肉の腫れを主訴に患者様がいらっしゃいました。

たしかに、歯周ポケットはありますが
CTを撮影してみると
全体の歯には骨吸収はなく
その歯自体は深く治療された後があります。
審査してみると
神経は死んでいました。
現時点で、歯根のダメージはみつからない為
まず、根管治療から始めていくことになりました。
これからしっかり治していきます!!
歯肉の腫れ等、気になることがありましたら
いつでもワンデイデンタルにご連絡ください!!