解剖学的根拠に基づく噛み合わせ調整
噛み合わせが悪いと、歯や顎に負担がかかったり様々な弊害が出てきます。
しかし、かみ合わせの悪さは自分では気づきにくいため、症状が重くなってから気づく患者さんも少なくありません。
また、「あごが痛い/口を開けたときの音が気になる(顎関節症)」「ブラキシズム/食いしばりが治らない」といった症状にも、噛み合わせは深く関わっています。
かみ合わせの影響は多岐にわたるため、定期的にチェックすることをおすすめします。
craniomandibular orthopedic positioning appliance
可撤式スプリントの装着により下顎位をニュートラルな状態にします。これにより、筋肉にとっても神経にとっても心地よい位置のかみ合わせをつくり、顎の調整を行います。
Dr.シュープによりるCOPAスプリント治療を行っています。
iTeroによる噛み合わせチェック
当院では、iTeroという光学カメラを使って口腔内をレーザーなどで直接測定し、咬合や歯の形、歯並びなどを3次元データとして読み取ることができます。
今までは歯科技工士がそれに従って「模型」を作って歯を作っていましたが、光学カメラで印象を取ることで、歯石や咬合障害、歯の摩耗などを確認することができるので、口腔内検査にも応用できる口腔内スキャナーです。
咬合診断もできるスクリーニングツール
iTeroは、歯のどの部分が噛み合っているのか、摩耗しているのかを分析することができます。
解析結果はクラウドに保存され、定期検診のたびにこのiTeroで撮影することで、お口の中の状態を経時的に確認することができます。
3ヶ月ごとに撮影した画像にこのタイプのラプラス機能を使えば、3ヶ月でどれだけ歯がすり減っているか、歯茎がどれだけ退化しているかを視覚的に確認することができます。
口腔内スキャナーは歯型を取るだけでなく、様々な機能でお口の健康をサポートします。
顎関節と噛み合わせ
噛み合わせが悪くなる原因
かみ合わせが悪いといっても、自分では気づきにくいものです。
わずかな噛み合わせのズレが、時間の経過とともに徐々に大きくなり、何らかの症状を引き起こすことがあります。
かみ合わせが悪くなる主な原因は以下の通りです。
- ブラキシズム
- 食いしばり
- 口呼吸
- 指しゃぶり
- 爪噛み
- 頬杖
- 片側噛み
顎関節症の原因
様々な原因がありますが、主に顎に負担がかかると、周囲の関節や筋肉が緊張し、靭帯や顎の付け根に異常が生じます。
関節円板(骨と骨の間にあり、クッションの役割を果たしている)が変位することで、顎の骨が引っかかり、音(クリック音といいます)がして、口が開きにくくなります。
顎関節症の主な症状
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あごに痛みを感じる
口を開けようとすると、あごに痛みを感じる(特に大きく口を開けたとき、あくびをしたとき、ハンバーガーを食べたときなど)。
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口を開けたときに音がする
口を動かすと(食事中、カラオケなど)、あごの近くで「カクカク」「グジュグジュ」という音がします。
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口を大きく開けられない
朝起きたときに、急に口が開かなくなることがあります。開いたとしても、指1~2本分しか開けられません。
顎関節症の治療方法
顎関節症の治療の進め方
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1お口、顎、体の健康状態を確認します。
具体的なあごの症状をお聞ききし、歯の欠損、位置、歯の詰め物などを確認します。また、日常生活における体のゆがみや癖などを調べ全体的に検査します。
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2咬合診断を行う
スプリントを行います。前回の型取りの口腔内モデルを用いて、今後の治療方針を歯型を用いて説明します。また、この時に咬合に問題がある場合は調整を行います。
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3スプリント、あごの筋肉を調整する
スプリントと顎の筋肉の調整を行います。
前回の治療の効果を確認しながら、問題が見られる部分を調整します。
スプリントは顎を左右に動かす練習に使用します(スプリントは補助的なものと考えます)。 -
4原因が銀歯や差し歯の場合は、調整・作り直しを提案
顎関節症の原因が銀歯や入れ歯の場合は調整・作り直しをご案内します。
不定愁訴でお悩みの方へ
何らかの症状があるにもかかわらず、検査をしても原因がわからない状態を「不定愁訴」といいますが、何らかの不定愁訴があったとしても、「原因は噛み合わせ」と疑う人は少ないかもしれません。
噛み合わせが気になる方だけでなく、原因がわからない何らかの症状が気になる方、正しい噛み合わせを維持したい方、一度噛み合わせを確認してみたい方など、様々な方がいらっしゃいます。
当院ではドーソンテクニックを用いて、適切な噛み合わせや顎の位置を採取し、調整を行っています。どうぞ、お気軽にご相談ください。