私って、何本インプラント入れてるんですか?
2021.10.05こんにちわ 府中ワンデイデンタルです
インプラント埋入本数
インプラントの埋入本数は時間的経済的制約が無ければ、喪失した歯牙本数分埋入する計画を立てます。例えば上のCTの方であれば、上顎7本、下顎6本になります。
インプラントの本数は全体の咬合バランスを考えながら本数を減少させていくこともできます。この場合なら下顎の右側は3本にして、上顎は4本にして前歯の部分はブリッジにしたり、上顎すべて抜いて4本で支えるインプラントブリッジで対応することもできます。これなら13本から10本になります。さらに減少させる場合は、上下で8本まで減少させる治療計画を立てます。本数を減らしつつも咬合圧の維持ができるよう綿密に計算します。当然予後も経過を追い、治療の効果があるのか検証していきます。ちなみにこの患者さんは、アルコール肝で糖尿病にり患していますが、インスリン療法で血糖値をコントロールされている方でした。ついつい歯科医師は有病者は敬遠してインプラント治療を断ることが多いです。確かに炎症に対する抵抗力が弱くインプラント治療に耐えられそうにない印象を受けますが、肝臓の値が安定し、糖尿病が落ち着いているなら適正なメンテナンスを繰り返せば意外にも症状は安定します。食事の摂取は体を作る基礎となるものなので有病者ほど食品を適切に咀嚼して唾液と混和して飲み込むことが重要となるかと考えておきます。
インプラント埋入
CTで骨量をチェックし、場合によっては埋入時のガイドを作成してインプラントを埋入します。上顎であれば埋入後3か月、下顎であれば埋入後1ヶ月で上部構造をセットし、咬合関係を確立することができます。咬合関係確立の場合は、通常最初の被せ物は仮歯を入れます。理由はほとんどの方が水平的かつ垂直的顎位がかなりずれていることが多く咬合を再構築してから一カ月は様子を見ることが多いです。だんだんと咬合が安定してくるので、そこで最終補綴に入ります。経過観察をすること一カ月ほど、下顎が少し後ろに下がることが多いです。天然歯の場合、上下左右それぞれのブロックに7本ずつの歯牙があるのでそれらをインプラントに置き換える場合、4本いるかなまたは3本かなと考えて治療することが多いです。
インプラントの必要本数
必要十分な本数を埋入できればありがたいのですが、解剖学的・経済的に総本数を必要な本数に限る場合はもしもの場合をも想定して設計することが大切です。また戦力的抜歯というのですが、天然歯の本数を減らすことによって、インプラント埋入本数を減らしつつも、長期的安定状態を満たすことができることがあります。ただこの場合は健康な歯を抜くというネガティブな側面があるので個々の患者さんと相談させていただきながら設計していきます。
インプラント埋入補綴後のお手入れ
毎月、3か月ごと、6カ月毎と患者さんごと口腔内環境と宿主耐性を鑑みリコール間隔を決定しております。普段のお手入れは歯ブラシや歯間ブラシ、フロス等を用いて清掃していただければ問題ないです。特にこれといってやってはいけないことはありません。
インプラントと天然歯
では、インプラントと天然歯ではどちらが優れているのでしょう。天然歯の実に精緻で機能に飛んだ高性能としての側面はインプラントでは補いきることは難しいです。。ただ現時点においては天然歯を再生することは動物実験における成功のみで未だ人体においては成功してはおりません。短期間に咬合と審美性を兼ね備えた修復を可能にするという点ではインプラントに軍配が上がるかもしれません。
何もしないことが最善の治療であるかもしれない。しかしながら治療するのであれば最善を尽くしたい。
そんなことを考える秋の一日です。それではまた。